生活習慣病
生活習慣病について
生活習慣病は、一人ひとりが、バランスの取れた食生活、適度な運動習慣を身に付けることにより予防可能です。
ご自身の健康状態を毎年確認し、健康づくりにつなげていくことが重要です。1年に一度、特定健診を受診し、生活習慣の改善が必要な方は、特定保健指導を受けましょう。

特定健診とは

日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの方を対象に、メタボリックシンドロームに着目した健診を行います。
特定保健指導とは

特定健診の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポートをします。

まだ受診をされていない方へ
ご自身が加入されている医療保険者(自営業の方は市区町村、会社等へお勤めの方・会社員の被扶養者の方は、お勤め先)までお問い合わせください。
※お勤めの方で、事業者健診(お勤め先で実施する健診)を受診された方又は受診予定の方は、改めて特定健診を受診する必要はありません。
特定保健指導の対象となる人は?


※頻尿病、脂質異常症、高血圧を服用治療されている人は、特定保健指導の対象とはなりません。
また、65~74歳の人は積極的支援の対象となった場合でも、動機づけ支援を行います。
禁煙外来
なかなかやめられない喫煙は、ニコチン依存症という病気です。
何故、タバコをやめられないのでしょうか?それは、タバコの煙に含まれるニコチンが、麻薬にも劣らない強い依存性を持つからです。そのため、現在では、喫煙習慣の本質は「ニコチン依存症」という、治療が必要な病気であるとされています。
では、タバコを吸うという行為が、どのようにして「ニコチン依存症」にまで至るのでしょうか。
タバコを吸うと、ニコチンが数秒で脳に達し、快感を生じさせる物質(ドーパミン)を放出させます。ドーパミンが放出されると、喫煙者は快感を味わいます。同時に、またもう一度吸いたいという欲求が生じます。その結果、次の1本を破って再び快感を得ても、さらに次の1本が欲しくなるという悪循環に陥ります。この状態がニコチン依存症(一喫煙習慣)です。喫煙は、このニコチンを体に入れるだけでなく、一酸化炭梁やタールなど、さらに多くの有害物質を一緒に取り込んでいるのです。
感染症を意志の力で治せないのと同じように、病気であるニコチン依存症を意志の力だけで治すのは難しいでしょう。現在、ニコチン依存症の治療には健康保険を使用できるため、医師と一緒に禁煙治療に取り組めます。大切な人のために、禁煙治療を考えましょう。
喫煙の習慣はニコチン依存症

【参考資料】喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書
平成28年8月
2018年11月5日参照
こんなにある、禁煙のメリット
「長年吸ってきて肺は真っ黒だろうから、今さら禁煙しても無駄だ」と考えていませんか?そんなことはありません。禁煙は、始めると短期間のうちに効果を実感できる楽しい作業ともいえます。例えば、肺の機能は禁煙を始めて2週間~3ヶ月で回復がみられます。咳や息切れも、1~9ヶ月で改善されてくるでしょう。
また、禁煙を継続するとさまざまな疾患のリスクが下がっていきます。
禁煙に、遅すぎることはありません。禁煙すると、最初の3日間はニコチン切れ症状が強くみられますが、ほとんどは1ヶ月以内に消えます。ただし、タバコを吸いたい気持ちは10週間以上残り、再び吸ってしまうきっかけになります。
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- 禁煙後
20分- 心拍数が落ち着く。
- 禁煙後
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- 12時間
- 血中の一酸化炭素が正常値になる。
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- 2週間
~3週間- 心臓発作のリスクが低下し始める。
肺機能が改善し始める。 - 2週間
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- 1~9ヶ月
- 咳、息切れが改善される。
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- 5年
- 脳卒中のリスクが低下。
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- 10年
- 肺癌による死亡率が喫煙者の約半分になる。
口腔、咽頭、食道、膀胱、腎臓、膵臓の癌のリスクが減少する。 -
- 15年
- 冠動脈疾患のリスクが非喫煙者と同等になる。
Centers for Disease Control and Prevention:
The 2004 Surgeon General's Report The Health Consequences of Smoking
2018年5月18日参照
禁煙の薬の種類
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飲む
タイプニコチンを含まない飲み薬
ニコチンを含まない飲み薬です。1日2回(※1)、食後に飲みます。
飲み始めてから8日目に禁煙を開始します(※2)。
通常、12週間、服薬を継続します。
医師の処方が必要です。
■ポイント
・一定の要件を満たすと、健康保険等が適用される(※注)
・ニコチンを含まない
・離脱症状だけでなく、喫煙による満足度も抑制※1:1日1回から用し、飲み始めの10回で体内に取事量を増やします。
※2:自然にタバコを吸わなくなった場合は、当日を持たず早めに禁煙を開始してください。
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貼る
タイプニコチンパッチ
ニコチンパッチは、ニコチンを含んだ皮膚に貼る薬です。
1日1回、上腕やお腹、背中などに貼ります。標準的な使用期間は8週間です。
皮膚のかぶれを防ぐため、毎日貼る場所を変えると良いでしょう。
薬局・薬店で購入するタイプと、医師に処方してもらうタイプがあります。■ポイント
・貼るだけなので簡便
・医師に処方してもらうタイプは、一定の要件を満たすと健康保険等が適用される(※注)
・離脱症状を抑える
※注:禁焼治療は一定の要件を満たし、医師がニコチン依存症の管理が必要と認めた場合、保険等で治療を受けられます。
かかりつけの医師にご相談ください。
サードハンドスモーキングとは?
タバコを吸っている人は匂いで分かるものです。口臭は清涼菓子などで抑えているつもりでも、たばこの煙は髪の毛や衣服にはしみ込むため※1、近くだと臭ってしまいます。 受動喫煙は、2次的な喫煙という意味で”セカンドハンドスモーキング”と英語で言います。 これに対して喫煙者が身に着けているものなどから発せられるタバコの残留物質を吸うことを”サードハンドスモーキング(3次喫煙)”と言います。 壁や床、カーテンなどにしみ込んだタバコの残留物質を吸うこともサードハンドスモーキングです。 サードハンドスモーキングであっても体調不良を引き起こす危険があります※2。
※1:大和浩:厚生労働省科学研究費補助金 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業
「受動喫煙の防止を進めるための効果的な行政施策のあり方に関する研究」
平成26年度報告書 平成28年5月13日
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDOOO.do?resrchNum=201412026B
2018年11月15日参照
※2:日本禁煙学会書:禁煙学 改訂3版 南山堂:97.2014[L20180839009]

受動喫煙
吸わない人も、知らないうちに「喫煙」しています。

タバコを吸わない人が、喫煙者のタバコの煙を吸い込んでしまうことを「受動喫煙」と言います。受動喫煙があると、タバコを吸わない人の体内からも、実際にタバコの煙の成分が検出されます(※1)。近くで喫煙されるだけで、吸わない人の意思とは関係なく喫煙している状態なのです。また、この受動喫煙により、我が国で年間約1万5千人が死亡しているという報告もあります(※2)
※1:喫煙の健康影響に関する検討会議:喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書
平成29年8月
https://www.nhte.go.jp/le/05-Shingkai-10901000-Kankoukyolus- Soumuka/0000172887.pdf
2018年11月5日参照
※2:片野田耕太:厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業
「たばこ対策の健康影響および経済影響の包括的評価に関する研究」
平成28年 11月22日
hitps://mhiw-grontalph.go.jp/niph/seerch/NIDDOO.do?resrehlum-201508017A
2018年11月5日参照
タバコの副流煙には有害物質がいっぱい

タバコの先から出る煙(副流煙)には、喫煙している本人が口から直接吸い込む煙(主流煙)よりも高い濃度の有害物質が含まれています。
【タバコに含まれる有害物質(主流煙との比較)】
<心臓血管・呼吸器毒生物質>
・ニコチン……………2.8~19.6倍
・一酸化炭素…………3.4倍~21.4倍
<呼吸器毒性物質>
・窒素化合物…………16.3倍~64.6倍
・アンモニア…………294.2倍~2,565.5倍
・ホムルアルデヒド…6.2倍~121.4倍
<ペンソ[a]ピレン(発がん性物質)>
…………………………7.6倍~48.8倍
喫煙の健康影響に関する検討会議:喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書
平成28年8月
https://www.chiw.go.to/Na/05-Shingikal-10901000-Kenkoukyoku Soumuka/0000172687.pdf
2018年11月5日参照